2017.04.21(Fri)
百鬼ゆめひな
鹿児島は姶良市の加治木に、そのお寺はある。
性應寺(しょうおうじ)
想像の5倍は立派で綺麗なお寺である。
今回はここ性應寺で、「百鬼ゆめひな」さんの公演が行われた。
百鬼ゆめひなさんは、”ひとかた”と呼ばれる等身大の人形を操り、自身も「人」として演じる舞台をされている方だ。
この人形舞踊の舞台表現は、ゆめひなさんの師匠である「百鬼どんどろ」さんにより創作され、百鬼ゆめひなさんは唯一の継承者である。
さて、まず今回はこの舞台を観てきたというワケではない。
ご縁があってこの舞台の裏方としてお手伝いさせていただく事となったのだ。
なんでも、ゆめひなさん、現在は長野県在住であるが、出身は鹿児島県。
東京や大阪、はたまたドイツやアメリカ、ブラジルなどでも公演をおこなってきたが、地元鹿児島ではまだ舞台をやったことがなかったという。
僕としても人形舞踊の舞台等、初めて観る事になるので「ワクワク」し、またゆめひなさんの初鹿児島での公演のお手伝いとあって「感激」な、非常にどっちもプラスな感情で現場に入った。
というか、まず僕の中で、「お寺」でイベントをするというこが意外だった。
他のお寺はわからないが、調べてみると、ここ性應寺さんではイベントを頻繁におこなっているみたいだ。
住職さんがゆめひなさんに上演依頼している辺り、見習うべきアンテナの持ち主だ。
さてさて、イベント当日、性應寺長寿会ということで関係者のみとなった今回のイベント。
舞台は1部と2部に分かれた全2部構成。
僕も裏方をしながら初めて観る伝統的な舞台に胸を躍らされていた。
話をしている段階ではもの凄く気さくで笑顔の多い女性。
これが僕の受けたゆめひなさんの印象だ。
しかしやはりプロ。
舞台が始まるとピシッとスイッチが入り、さっきまでの柔らかい表情とは別の真剣な表情。
その妖艶な姿に裏方をしながらも、しばし入り込んでしまう様な舞台だった。
彼女は言う。
「地元鹿児島での上演機会を増やしていきたい」
こういう方々、つまり出身地を離れ、他所で頑張っていて、いつか地元でなにかしたいと思っている方々はたくさんいるのではないかと思う。
その為に、僕ら、鹿児島に住んでいる人間がもっと鹿児島を知り、鹿児島を好きになり、そしてアンテナを張っていれば、いつか鹿児島とこういった方々を繋げれる事ができるんじゃないか。
きれいごとかもしれないが、僕に今できることはそういう感じのことかなって思う。
そんなことまで思わせてくれる、とてもいい機会だった。
©2017 the Goodtime.r's Show