BOOK・HEART written by ハマゾノリョウジ


コンビニのトイレに立ち寄る
 
 

決して綺麗だとは言い切れないそのトイレの壁にはこう張り紙がしてある
 
 

「いつも綺麗に使っていただきありがとうございます」

これは心理学でレッテル法というらしく、「いつも綺麗に使ってますね。あなた方。」というレッテルを勝手に貼ることでそう思わせ、そういう行動を自然とさせてしまう方法なのだ

 

しかしそういう張り紙があるトイレが必ず綺麗かと言うとそうでもないのだ

 

冒頭で言ったようにこのトイレも例外なくそんなに綺麗ではない

 
  
 

それは「俺はそんな綺麗に使ってないぞ!おらぁぉぁ」という捻くれ者が汚していくのか
 
  

はたまた「みんなが綺麗に使ってくれてるから掃除は不要!」という現状を見ていない経営者側の短絡的な考え方なのか
 
 

 
 

はたまた日々の微々たる蓄積なのか

 
  
 

どうであれ、あの張り紙自体には謙虚さを感じる 

 
 
 
 

レッテル法と知って貼ったのは人間だが、貼られた紙
  
 

 

「いつもありがとうございます」と言い続ける紙自体に魂があるとすればあの張り紙ほど優しいやつはいない
 
  

嫌な顔ひとつせず、笑顔で言う

 

「いつも綺麗に使っていただきありがとうございます」

 
 

どんな小便をぶち撒けるサイコパスが現れようと、放置された他人のクソの上からクソを積み重ねる芸術家が現れようと、便器に座り脱法ハーブをキメるジャンキーがいようと、あの張り紙は言うのだ

 

「いつも綺麗に使っていただきありがとうございます」

 
 

こんなにも優しく、人を信じ続けることが出来るコイツはスゴい

 

しかし僕はその張り紙の本心を読み取る

 

もしかしたらこの紙は、綺麗に使ってないヤツを人として見ていない

つまり、「いつも綺麗に使っていただきありがとうございます。」はあくまで綺麗に使っている人に向けたお礼であって、それ以外の汚くしていく輩などアウトオブ眼中

 

いつも人間以外の生き物が汚していきますが、あなた方人間様が綺麗に使っていただいてるだけでも嬉しいです。人間以外の生き物はこの張り紙の文字を読むことすらできませんからあなた方人間様へ向けて言います。
いつも綺麗に使っていただきありがとうございます
 
  
 

が本心だろう

 
 
 

間違いない

 
  
 

前者ほど優しくあるべきではない
 
  
 

何度言ってもナメてるやつなど無視、もしくは制裁を下すべきなのだ
  
 

とあの一文から読み取れる
 
 
 
 

あの張り紙の本心を見てしまった

 
 
 

僕も君に1票入れるよ 
 

written by ハマゾノリョウジ

©2017 the Goodtime.r's Show