主演の男 written by ハマゾノリョウジ


このザ・ジユウチョウでは耳にタコが出来るほど伝えてきたことではありますが、私、ハマゾノは頻繁に催すため、あらゆる商業施設のトイレを利用させていただいている
 
 

見知らぬ男にトイレを無償提供してくださる商業施設には常に感謝しているのだ
 
 

先日も、とある商業施設のトイレを利用させていただいた
 
 
 

当然、大の方での利用になったのだが、僕がトイレに入った時のそのトイレの状況を説明すると
 
 

全体的にそんなに広くないトイレで、
 
大の便器は2つ、その1つは使用中
 
小にも1人使用中
 
手洗い場に1人、
 
トイレ内にはBGMは流れておらず無音状況
 
 
 

今にも漏れそうで門がヒクついている僕にはなかなかの悪条件である
 
 

というのも、出来れば「ブリブリっ」とか聞かれたくない派の人間なので、こんな狭い、尚且つサイレントな空間で、互いに知らない同士の4人が静かに各々の用を済ましている場所は非常に悪条件といえるのだ
 
 

とは言え、こっちだってそない余裕のあるコンディションではない
 
 

大の方に入る

  
 

ウォシュレットがあることだけは一瞬の気休めにはなる
 
 

ひとまず返りの水を防ぐ為、便器の水溜りにトイレットペーパーをフワッと敷く
 
 
 

これをやることこで、僕から出た大が、敷かれたペーパーにファサっとキャッチされるので、水にちゃぽんっとなってその返りの水がケツに付着しないで済むのだ
 
 

僕はかつて小学生の頃、返り水がケツに付くのが嫌で、大をした瞬間に便座から逃げるという大胆な技ををしたところドアに衝突してしまったが、見兼ねたのか父親がこのペーパーフワッと置きの術を教えてくれたのだ

 
 
これはかなり使えるので、是非この返り水問題に悩んでいる方は使ってみてほしいのだ

  
 

 

話を戻すと、4人の男根がひしめき合うサイレントな空間でいかにして隠密に大を放出するかというところだ
 
 
 

便座に座り、全神経を肛門へと集結させ、恐ろしいまでの微調整で筋力を緩めていく
 
 

油断すれば、意思とは反してバスっと中身が音を立てて外界へと飛び出してくる
 
 
 
強く塞き止め、優しく緩める
 
 

相反する動きが今、1人の人間の肛門という、ごく一部分でバチバチに行われているのだ
 
 

それにしても隣の便器のやつは静かだ
 
 

もしやお主も隠密部隊か
 
 

なかなかのやり手とみた
 
 

小便のやつはもう気配的にそこにはいない
 
 

だが手洗い場の彼奴はまだいる
 
 

まだ手を洗っている音がする
 
 

いつまで洗ってるんだと罵声を浴びせたいところだが待たれよ
 
 
 
この手洗いの音が無くなれば、それこそ無音の世界
 
 

そしてついに大の便器同士の完全無音のVSマッチになってしまうのだ
 
 
 

それだけは避けたい
 
 

もっと
 
 
 

もっと手を洗うんだ
 
 

もっと水を激しく出して
 
 
 

何度も石鹸をつけて洗うんだ
 
 

人間は手が1番汚いのだ
 
 

今までしてきた悪いことも、今ここで洗い流したらどうだ
 
 
 

もっとバシャバシャと音を立てるんだ....!!!!
 
 
 
 

そうやって他人の音に少しでも頼ろうとしたからか、僕の中のヤツは音を立てて出てきた
 

 

やってしもうた
 
 
 

しかしやってしまったのは仕方ないのだ

  

 
 
問題はこの後、どれだけ早く切り替えられるかということだ
 
 

一度音を立てたら、「さっきまでの微調整がどうのなんて嘘みたいに一気に出し切る」

 
 

これがコツだ
 
 
 

意外と、音が出てもまだ体制を立て直そうと微調整をしようとするかと思いきや、そんなことはない
 
 

ここは一気にシフトチェンジ
 
 
 

音なんて気にもせず、もう思いっきり腸の中全出しぐらい出す
 
 
 

え、うんこする時音出ますよね?
 
 
あたい、そんなん気にしたこともないですわ
 
 
ぐらいキャラチェンジすべしだ

 
 
そしてすぐ流してすぐトイレを出る
 
 
 
堂々としていればいいのだ
 
 

それは本当の自分じゃなく無理をしているのかもしれない
 
 

本当は音なんて聞かれたくないけど、聞かれてしまったら、「何が悪い?」って
 
 

強がってるだけかもしれない

 
 
 

でもさ、うんこの時くらい自分じゃない他の誰かに成り切るってのもいいんじゃないかな 
 

 
     written by ハマゾノリョウジ

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