ブラシ written by ハマゾノリョウジ


気持ちの悪い話ではあるが、僕はものすごくシャイで、小学生の頃なんて「う◯こ行って来る!」なんて、とてもじゃないけど言えない様な子供だった 
 
 
 
それが今では「トイレ行って来る」でいいところをわざわざ「う◯こ行って来る」と、その内容まで公開する始末だ 
 
 
 
なぜこんな事態になってしまったのか、心理を言わせてもらうと、 
 
「トイレ行って来る」だと、それにかかる時間によって 
 
 
「あれ?あいつ長くね?う◯こじゃね?」 
 
 
と噂をされるだけでなく、トイレから帰ってきて、なにも申告しなかった場合、「う◯こしたことをなかった事として会話に参加するマン」扱いされるのだ 
 
 

たちが悪いのは、それが例えばう◯こじゃなくて長めの小便だったとしても、「う◯こしたことをなかった事として会話に参加するマン」になってしまうことであろう 
 
  
 
その場のみんなが薄っすらと思い続ける、「こいつ絶対う◯こしてきたっしょ」 感  
 

 
僕はこの被害を回避するために、事前にしっかりと「う◯こしてきます!」と申告する様にしたのだ 
 
 
こうすることで、トイレから帰ってきても、普通に輪に入れるのだ 
 
 
しかしながらこれにはリスクもある 
 
 
例えば「う◯こしてくるね!」と意気揚々とトイレへ行ったはいいが、大便器に長渕剛氏が大筆で描いた様なう◯こがこびり付いていたとしよう 
 
 
僕がこの流してもとれることのない、大筆のう◯こをそのまま放置して、このトイレを去ってしまえば、事前に「う◯こしてくるね!」と大腕振って行ってしまっているだけに、次にトイレに入った人に、確実にソレは僕がやったものとして認定されるでありましょう 
 
 
そんなもの、とんでもない冤罪だがアリバイがない 
 
  
なんなら僕がみんなに告げたことで、ほぼほぼ黒確定だ 
 
 
なので僕は、自身のしたう◯こを流した後、他人がこびりつけた、その流れることのない大筆こびりつきう◯こを泣きながらブラシで掃除するのだ 
 
 
No Pain No Gain
 
 
痛みなくして得るものなしというわけだ 
 
 
 
こびりつけた、当の本人は絶対に気づいているはずなんだ 
 
 
君たちも、「う◯こ行って来る」と周りに告げてからトイレに行けば、こんな横着はできないはずだ 
 
 
身から出た錆は己でこさげ 
 
 
身からでた身はブラシでこさげ

 
なのである 
 
 
 
   written by ハマゾノリョウジ

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