先日、近所の焼肉屋さんに晩飯を食いに行った
祝日ってのもあって、店内は肉食関係者で溢れかえり、いわゆる「待ち」の状態
既に僕らの他にも「待ち」のお客さんが待合室にいるといった大盛況ぷりだ
本来は完全待たない派の僕だが、嫁さんの「待つ」の一言で僕の大嫌いな「待ち」を味わうことになったのだ
「空腹」と「待ち」のダブルパンチで余裕のない僕の脳内には、何故か星野源氏の「恋」がヘビーローテションされている
余裕のない僕にアップテンポなポップスで機嫌のバランスを取ろうと身体側も必死なのだろう
つくづく身体は神秘的で、不思議で、うまく出来てるなと感心しながら他人がつつく焼肉の匂いを吸引しながら待つ
その間も星野源氏の「恋」は僕の脳内で無限にループ再生されている
歌詞のわからないところは「ルールール♪」と都合のいい言葉を上手くハメて星野源が僕の脳内で僕のためだけにライブをしているのだ
贅沢な話だ
すると僕の脳内だけで流れていたはずの「恋」が、今度は実際に耳から聴こえた
ふと横に目をやると、隣に座って待っていた別グループの家族の小学生くらいの子供がなにやらゲームをしながらまさに「恋」を口ずさんでいる
一瞬パニックに陥った
もしかして僕は声に出して歌ってしまっていたのか
いやそんなことをすれば、まず嫁に「何歌ってんの」と指摘されるはずだ
僕の脳内で、僕のためだけに歌ってくれていた星野源は、君(小学生)のためにも君(小学生)の脳内でライブをしていたというのか
そんなはずはない
ミッキーマウスが世界中で同じ時刻に2人いないのと同じで、同じ時間に星野源が、しかもこんな至近距離で同時に脳内ライブをするわけがない
いや待てよ
至近距離だからこそ叶ったのか
至近距離だからこそ僕と君(小学生)の脳はまさにリンクして同時期に星野源のライブを聴くことが出来たのか
それなら、と思い切って脳内で星野源のPop virusをリクエストしてみる
僕の脳内には今Pop virusが流れている
小学生はまだ「恋」を口ずさんでゲームをしている
リンクしてない
何がどうなってるんだ
まさか君には君の星野げ「2名でお待ちのハマゾノ様ぁ〜」
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焼肉を食べ始めた僕の脳にはもう星野源はいなかった
written by ハマゾノリョウジ
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